shoooori
[#003]進行状況に合わせたセリフの変化
アドベンチャーゲームにおける<クリック=時間>と考えるなら、1クリックごとに表示される文章の変化がゲームの面白さに影響を与えているのでは?という疑問を持ちました。
そこで試してみたのは、言わずと知れた名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の日本語訳セリフ集から、作中の時間の経過とセリフの長さや性質はどう対応しているのか?を考察することでした。

物語の進行状況によって、説明口調の長ゼリフが多いか、短めの感情ゼリフが多いかが変わっています。ここから、起承転結を考える際に、どのような時間の使い方をするのが良いのかが見えてきそうです。
つまり、「時間の経過に伴って、受け手に与える印象を、文章の種類や内容によって意図的に変化させるべき」という考え方です。
一見すると当たり前のような結論ですが、ここには、ストーリーは「作者が用意した筋書きに沿って直線的に進んでいくもの」ではなく、「プレイヤーが開示された情報に対してどう感じてきたのか?という記憶の積み重ね」である、という制作上の大きな視点の違いがあります。
これによって、アドベンチャーゲームにおけるプレイ体験を検証する1つのものさしができました。
では、そこで描かれるテーマは何がよいのか?
こういった中身についての話は、また別の議論が必要となります・・・