shoooori
[#009]画面演出の3要素
こちらの記事では、ゲーム内の<クリック=時間>として、シナリオに求められる要素を分解して考えてきましたが、これは視覚的な演出の変化においても同様です。

上の図は、<1クリック=1カット>というように、カットの連続によって1つのシーンを作っていくという考え方を表したものです。
また、この1カットあたりの構成要素は
・構図
・前後関係
・情報量
の3つによって成り立っていると考えました。

まずは構図ですが、一般的なアドベンチャーゲームだと、立ち絵+背景といった画面に、テキストウィンドウを表示するというシンプルな構図が続きますが、同じ素材を使用しても、変化を感じるような画面演出を作れないか?と考え、映画やアニメのカメラワークを参考に考えてみました。これについては色々と種類があるので、別途まとめてみたいと思います。
次に前後関係。例えば、「喫茶店に入店してコーヒーを飲もうと席に着いたら、偶然店内にいるクラスメイトを発見した」というシーンがあったとします。これを演出でわかりやすく表現するのであれば、画面に映す順番は次のようになると思います。
1.喫茶店の外観
2.店内の様子〜席に着く
3.遠目から見たクラスメイトの様子
最後に情報量ですが、これは構図と前後関係に対する奥行きのようなもので、物語のディティールをどこまで詳細化するか?という部分になります。例えば、前にあげたシーンにおいて、コーヒーの画像を表示するかどうか?ということを考えたいと思います。
喫茶店の外観と店内の様子があれば、わざわざコーヒーの画像を用意しなくても、テキストの描写だけで事足ります。しかし、湯気の出ている熱々なコーヒーの画像を映し、しばらく時間が経ったあとで、今度は湯気の出ていない冷めたコーヒーを映すとします。これによって、長時間喫茶店にいたということが分かります。そこにテキストで、「クラスメイトの様子を遠巻きに眺めながらも話しかけられずにいた」というような内容が描写されると、2人の関係性を繋ぐ媒介として、コーヒーが重要な役割を持ったことになります。
このように、1カットの中に含める要素をどうするか?を考えることで、シンプルなアドベンチャーゲームであっても、ストーリー性において奥行きを出していくことができるのではないでしょうか。
次回は、カメラワークについてまとめた内容を書いてみようと思います。